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やりなおしの数学・微分積分篇(003/X)

以下の書籍を参考に、改めて微分積分を復習していく。

www.rokakuho.co.jp

今日のまとめ

  • m\in\mathbb{R}A\neq \emptysetに対し、①mAの上界である、②aAの上界ならばm\leq aである、の2条件が成り立つとき、mAの上限であるといい、m=\sup{A}と書く。
  • 上に有界な実数の集合は必ず上限を持つ。また下に有界な実数の集合は必ず下限を持つ。
  • 数列\{a_n\}\alpha\in\mathbb{R}に収束するとは、任意の正数\varepsilonに対してあるNを選べば、n\geq Nであるような任意のnについて
    \begin{aligned}\ |a_n-\alpha|\lt\varepsilon\end{aligned}
    を満たすことをいう。

3. 実数と連続性

 実数の集合\mathbb{R}の持つ基本的性質は3つに集約される:

  1. 加減乗除の四則演算ができる
  2. 大小関係が定まる
  3. 連続性が成り立つ

この(3)について説明する。

3.1 有界

 空でない集合A\subset\mathbb{R}について、上に有界であるとは、すべてのx\in Aについてx\leq aであるようなa\in\mathbb{R}が存在することをいう。またこのようなaを上界(upper bound)という。またaAの上界であるならば、b\gt aAの上界である。
 ここで重要なのは、a\notin Aということがあり得るということである。すなわち開区間でも上に有界なことがあり得る。

3.1.1 最大値(maximum)

 これを踏まえて最大値を定義する。

 M\in\mathbb{R}A\neq \emptysetに対し

  • MAの上界である
  • M\in A

を満たすとき、Aの最大値であるという。このときM=\max{A}と書く。

最大値は定まらない場合がある。実際、(右)開区間であれば、最大値は定まらない。
これと同様に最小値mも定義され、m=\min{A}と書く。

3.1.2 上限(supremum)

 最大値を拡張した概念として上限を定義する。

 m\in\mathbb{R}A\neq \emptysetに対し

  • mAの上界である
  • aAの上界ならば、m\leq aが成り立つ

が成り立つとき、mAの上限であるといい、m=\sup{A}と書く。もしAが上に有界でないならば、\sup{A}=\inftyと表す。

これと同様に下限も定義され、m=\inf{A}と書く。


 上に有界な実数の集合が最大値を持つならば、上限に一致する
\because 上に有界な実数の集合Aの最大値をmとする。すると最大値の定義から、


\begin{aligned}
{}^{\forall}a\in A (a\leq m)
\end{aligned}

が成り立つ。m\in A\subset\mathbb{R}であるから、mAの上界である。
 このm\in Aに対してAの任意の上界nを取ると、上界の定義から


\begin{aligned}
{}^{\forall}x\in A(x\leq n)
\end{aligned}

であるから、m\leq nでもある。これらはmが上限であることを意味する。\blacksquare

3.2 実数の連続性

 以上を基に実数の連続性に関する重要な性質を証明抜きに述べる。

 上に有界な実数の集合は必ず上限を持つ。また下に有界な実数の集合は必ず下限を持つ。

 このとき以下の3つの命題が成り立つ。

(1) 自然数全体の成す集合\mathbb{N}は上に有界でない。
(2) a,b\gt0に対してna\gt bを満たすような自然数nが存在する。(Alchimedesの公理)
(3) a\lt bを満たすような任意のa,b\in\mathbb{R}に対しa\lt p\lt bを満たす有理数pが存在する。(有理数の稠密性)

\because それぞれの命題について証明する。
(1)
 \mathbb{N}が上に有界であると仮定する。このとき{}^{\exists}\sup{\mathbb{N}}=\alpha\lt\inftyが成り立つ。\alpha-1\mathbb{N}の上界でないから、\alpha-1\lt mを満たすようなm\in\mathbb{N}が存在するから、\alpha\lt m+1\in\mathbb{N}が成り立つが、これは\alphaが上限であることに矛盾する。したがって\mathbb{N}は上に有界でない。
(2)
 \mathbb{N}は上に有界でないから、\displaystyle{\frac{b}{a}}\lt nを満たすようなn\in\mathbb{N}が存在する。したがって


\begin{aligned}
{}^{\exists}n\in\mathbb{N}\ \ s.t.\ \ na\gt b
\end{aligned}
(3)
 a\leq0の場合には、(2)よりn+a\gt0を満たすn\in\mathbb{N}が存在し、このときにはa,bに代わりn+a,n+bを考えればよいため、はじめから0\lt a\lt bとしても一般性を失わない。
 (2)より\displaystyle{\frac{1}{b-a}}\lt {}^{\exists}m\in\mathbb{N}であるから、b-a\gt\displaystyle{\frac{1}{m}}を満たすようなmが存在する。次にn-1\leq ma\lt nを満たすようなn\in\mathbb{N}を選ぶことで

\begin{aligned}
a\lt\displaystyle{\frac{n}{m}}\leq a+\displaystyle{\frac{1}{m}}\lt a+(b-a)=b
\end{aligned}
が成り立つ。したがってp=\displaystyle{\frac{n}{m}}とおくことで

\begin{aligned}
a\lt {}^{\exists}p=\displaystyle{\frac{n}{m}}\lt b
\end{aligned}
が成り立つ。\blacksquare

4. 数列

 前節で実数の連続性を導入した。これを用いることで数列の収束・極限を厳密に定義することが出来る。

4.1 数列の“収束”

 まず収束を定義する。数列\{a_n\}\alphaに収束することを言葉で述べれば、どんなに小さな正の数\varepsilonを持ってきてもそれに応じたn(したがって厳密にはn(\varepsilon)n\varepsilonの関数である。)を取ってくることで|a_n-\alpha|\lt\varepsilonが成り立つことをを言う。

 数列\{a_n\}\alpha\in\mathbb{R}に収束するとは、任意の正数\varepsilonに対してあるNを選べば、n\geq Nであるような任意のnについて


\begin{aligned}
\ |a_n-\alpha|\lt\varepsilon
\end{aligned}
を満たすことをいう。

このとき、\alphaを数列\{a_n\}の極限といい、


\begin{aligned}
\lim_{n\rightarrow\infty}a_n=\alpha,\ a_n\rightarrow \alpha(n\rightarrow\infty)
\end{aligned}

と書く。

4.1.1 定義による極限の導出例

 上述した定義に則って、具体的な数列の極限として数列\{a_n\},\ a_n=\displaystyle{\frac{1}{n}}の極限


\begin{aligned}
\lim_{n\rightarrow\infty}\displaystyle{\frac{1}{n}}=0
\end{aligned}

を導出する。
 任意の\varepsilonを取ってくると、


\begin{aligned}
\displaystyle{\frac{1}{n}}\lt\varepsilon\Leftrightarrow n\gt\displaystyle{\frac{1}{\varepsilon}}
\end{aligned}
が成り立つから、N\gt\displaystyle{\frac{1}{\varepsilon}}を満たすようなNを取ってくれば、


\begin{aligned}
{}^{\forall}n\geq N\left(\displaystyle{\frac{1}{n}}=\left|\displaystyle{\frac{1}{n}}-0\right|\lt\varepsilon\right)
\end{aligned}

が成り立つ。したがって\displaystyle{\lim_{n\rightarrow\infty}\frac{1}{n}}=0である。

4.2 数列の"発散"

 今度は発散について定義する。

 数列\{a_n\}が正の無限大にはっさんするとは、任意の正数Mに対してあるNを選べばn\geq Nであるようなすべてのnについてa_n\gt Mが成立することをいう。

このとき


\begin{aligned}
\displaystyle{\lim_{n\rightarrow\infty}a_n}=\infty,\ a_n\rightarrow \infty(n\rightarrow\infty)
\end{aligned}

と書く。

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