2.2 行列と線形写像の関係
写像
が行列
を用いて
と書けるならば
は線形である。逆に
から
への線形写像はある
行列によって定まる写像に限る。
(
必要条件について、写像
が行列
を用いて
と書けると仮定する。このとき
について
が成り立つ。
逆に
写像
を線形
写像とする。

の

項単位ベクトルを

とし、
とおく。また

と定義する。このとき、
とおく。

は

項列ベクトルである。これらを並べて出来る行列
を考え、

によって定まる

から

への線形
写像を

とすれば、
が成り立つ。

の任意のベクトル

は単位ベクトルの線形結合として
と表されるから
が成り立ち、これは

を意味する。

)
2.2.1 合成変換
線形写像
についてそれぞれ行列
で定まるものとする。このとき
が成り立つ、すなわち合成
写像
は行列

で定まる。
(
が成り立つ。

)
2.2.2 逆変換
が
次正則行列であるとき、
を満たす

を逆変換という。ここで

は
を満たすもので
恒等変換という。