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今日のまとめ
2. 集合と写像に関する諸概念
2.1 写像の定義
2つの空でない集合が与えられたとき、集合から集合への写像とは、に対してを対応させるものを指し、
と記述する。特に実数(の部分集合)から実数(の部分集合)への写像を関数という。
写像が与えられたときにを写像の定義域といい、集合
をのによる像という。
実数の部分集合として”ある値とある値の間”という区間を扱うことが多い。そこで区間についていくつかの定義を行なう。以下、として
- 開区間:両方の境界を含まない場合
- 閉区間:両方の境界を含む場合
- (左・右)半開区間:一方の境界を含む場合
「区間」はこれらの総称である。
2.3 単調増加・単調減少
を区間とする。
関数が単調増加であるとは、任意のに対して
特に
が成り立つとき、は狭義単調増加であるという。
これと同様に任意のに対して
が成り立つとき、は単調減少であるという(狭義単調増加と同様に狭義単調減少も成り立つ。)。
区間についてが上への狭義単調増加(または減少)であるならば、は全単射である。
実際、任意の実数についてのいずれか一つが成り立つことに注意すれば、であるときにもに関してそれらのうち1つが成り立つ。しかし、またはならば、狭義単調増加のとき、それぞれ
が、もしくは狭義単調減少のとき
が成り立ち、前提を満たさない。したがってであり、これは単射であることを意味している。
そして、そもそもが単射であることを仮定していたことを踏まえると、区間についてが上への狭義単調増加(または減少)であるならば、は全単射であり、したがって逆写像が存在する。