今回から、金融工学におけるシミュレーションについて学んでいく。テキストとして以下を使う。今回はP.77-78まで。
5. 分散減少法
法は
- 問題に沿った(同時)分布に従う(多変量)乱数列の生成
- その乱数列を使った計算
の2つの部分に分けて考えられる。乱数列の生成は更に
- 一様分布に従う乱数列の生成
- それを元にした必要な同時分布に従う乱数列の生成
に分けられる。
法は高次元問題を取り扱うことはできるものの、誤差を減らすには大きな時間が掛かり時間効率が低い。そこで本章では時間効率を上げるための手段の1つとして分散減少法を説明する。法における解の統計的誤差は点列数に対してに出来る。分散減少法はこのを減らす試みである。
法による関数の積分値を
と書くことにすると、法のアイディアは以下の2つに分けることが出来ると言える:
- 関数を同じ積分値を取る別の関数に置換え
- 期待値の取り方を変更
関数を同じ積分値を取る別の関数に置換え |
期待値の取り方を変更 |
(1) 負の相関法 | (1) 条件付き法 |
(2) 制御変量法 | (2) 層別化法 |
(3) 回帰分析法 | (2-1) ラテン・ハイパーキューブ法 |
(4) マルチンゲール分散法 | (2-2) の方法 |
(3) 加重サンプリング法 | |
(4) 測度変換法 |