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ファイナンス練習(2021年09月07日)

 業務でC#を用いることになったので、最近勉強していなくて朧気になってきた知識をReviseする意味でも、以下の書籍を読みながらC#で実装してみる。統計学については別書で触れたいため大幅にカットします。P.164-170まで(当分は実装なしが続きます)。

6. 確率過程の基礎

6.1 ランダムウォークブラウン運動

 離散的な時間を考え、時点の集合を\mathscr{T}=\{0, \Delta t, 2\Delta t,\cdots, , T\Delta t\}とする。各nに対して、確率変数X_n


{\displaystyle 
\begin{eqnarray}
 X_n= \left\{
    \begin{array}{l}
       1, 確率p (0\lt p\lt1)\\
       -1, 確率1-p
    \end{array}
  \right.
\end{eqnarray}
}

で定義し、これらは独立である。更にW_0=0として\{X_n\}の部分和


\begin{aligned}
W_n=W(n\Delta t)=\displaystyle{\sum_{i=1}^{n}X_i}, n=0, 1, \cdots, n
\end{aligned}

と考える。この確率過程\{W_n\}ランダムウォークという。
 ランダムウォークでは、X_t=1を成功、X_t=-1を失敗と見なせば、T回の試行のうちk回成功すれば


\begin{aligned}
W_T=2k-T
\end{aligned}

となるので、W_T\sim B(T,p)である。すなわち


\begin{aligned}
P(\{W_T=2k-T\})=_{T}C_{k}p^{k}(1-p)^{T-k}, k=0,1,\cdots,T
\end{aligned}

である。

6.2 二項モデル

 S(t)をある時点tにおける株価とする。時点tにおける株価がSであるときに次の時点t+\Delta tにおいて確率qS(t+\Delta t)=uSとなり確率(1-q)S(t+\Delta t)=dSになると仮定する(0\lt d\lt1\lt u)。このような価格仮定をもつモデルを二項モデルと呼ぶ。


\begin{aligned}
S_n=Su^{(n+W_n)/2}d^{(n-W_n)/2}, n=0,1,2,\cdots,T
\end{aligned}

とすれば二項モデルと整合的である。

6.3 Brown運動

 刻み(\Delta t)を無限に小さくしたら(\Delta t\rightarrow0)、ランダムウォークW_nはどのような振る舞いをするだろうか。
 改めて


{\displaystyle 
\begin{eqnarray}
 X_n= \left\{
    \begin{array}{l}
      = \Delta x, 確率p (0\lt p\lt1)\\
      = -\Delta x, 確率1-p
    \end{array}
  \right.
\end{eqnarray}
}

とおく(\Delta x \gt0)。
 充分に小さな\Delta x\gt0に対して


\begin{aligned}
P(\{X_n=\Delta x\})=1-P(\{X_n=-\Delta x\})=\displaystyle{\frac{1}{2}}
\end{aligned}

とし、X_nは独立であるとする。また時間間隔\Delta tと状態間隔\Delta x


\begin{aligned}
\Delta t=(\Delta x)^2
\end{aligned}

を保つものとする。このとき、充分に小さな\Delta t\gt0に対して得られるランダムウォークはBrown運動を近似する。


図1 \Delta t=T/NとしてN=10,000,20,000,30,000としたときの
ランダムウォーク
f:id:suguru_125:20210906234120j:plain

 \Delta t\rightarrow0のとき\Delta x=\sqrt{\Delta t}\rightarrow0であるから、Brown運動\{x(t)\}は連続な経路を持つ連続時間確率過程であり、また


\begin{aligned}
E[X_n]&=\Delta x\cdot P(\{X_n=1\})+(-\Delta x)\cdot P(\{X_n=-1\})\\
&=\displaystyle{\Delta x\cdot\frac{1}{2}-\Delta x\cdot\frac{1}{2}}=0,\\
V[X_n]&=(\Delta x)^2 P(\{X_n=1\})+(\Delta x)^2P(\{X_n=-1\})=\Delta t
\end{aligned}

である。したがってX_i, i=1,\cdots,nが互いに独立であることに注意すれば


\begin{aligned}
E[W_N]&=\displaystyle{E[\sum_{i=1}^{N}X_i]}=\displaystyle{\sum_{i=1}^{N}E[X_i]}=0,\\
V[W_N]&=\displaystyle{V[\sum_{i=1}^{N}X_i]}=\displaystyle{\sum_{i=1}^{N}V[X_i]}=N\Delta t
\end{aligned}

であり、N\rightarrow\inftyのときBrown運動に収束するから、Brown運動z(t)\sim N(0,T)であることが分かる。
 またn\lt mに対して


\begin{aligned}
W_m-W_n = X_{n+1}+\cdots+X_m
\end{aligned}

であり、X_i, i=1,\cdots,nが互いに独立であることから、ランダムウォーク、ひいてはBrown運動は任意時点間の差分が独立である。この性質を独立増分という。更に上述と同じ議論から、z(t+s)-z(t)\sim N(0,s), t\gt0,s\gt0である。
 逆に

  • 増分がそれまでの経路とは独立である
  • 独立増分は正規分布に従う(z(t+s)-z(t)\sim N(0,s),t\gt0,s\gt0)、
  • 経路が連続である

ような確率過程はBrown運動のみであることが知られている。
 以上を用いて、Brown運動を以下で定義する:

 連続確率過程\{z(t)\}が以下の3つの性質を持つとき、Brown運動であるという:

  • 増分z(t+s)-z(t), t\gt0, s\gt0z(t_0), ^{\forall}t_0\lt tと独立である。
  • 増分z(t+s)-z(t)\sim N(0,s)である。
  • 経路z(t), ^{\forall}t\geq0は連続である。

 以上で示した通り、z(t)\sim N(0,t)であるから、


\begin{aligned}
X(t):=X(0)+\mu t+\sigma z(t), 0\leq t \leq T
\end{aligned}

で定義される過程X(t)-X(0)は平均が\mu t、分散\sigma^2 tであるような正規分布に従う。このとき、tをドリフト、\sigmaを拡散係数と呼ぶ。


図2 ドリフトのあるBrown運動のシミュレーション例
\mu_{Year}=2\%, \sigma_{Year}=20\%*1
f:id:suguru_125:20210907013502j:plain

*1:年次期待リターン\mu_{Year}=2\%および年次リスク\sigma_{Year}=20\%と見なし、それらを日次\mu_D=\displaystyle{\frac{\mu_{Year}}{250}}, \sigma_D=\displaystyle{\frac{\sigma_{Year}}{\sqrt{250}}}に変換した。

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