業務でC#を用いることになったので、最近勉強していなくて朧気になってきた知識をReviseする意味でも、以下の書籍を読みながらC#で実装してみる。今日はP.62-78まで(当分は実装なしが続きます)。
4. 多変量確率変数とポートフォリオ理論
4.7 ポートフォリオの最適化
4.7.1 収益率
資産価格の変化率を
で定義し収益率と呼ぶ。
ただし株式に焦点を当てており、配当を考慮するタイミングにおける収益率については、
を配当落ち後の価格、をこの時点での1株当たり配当金*1として
で定義する。また
で定義する収益率を対数収益率という。これは
と連続複利による運用に対応した定義である。またが1に充分に近ければ、
と対数関数のMcLaurin展開から
と通常の収益率に近似できることから、その利用を正当化できる。以後、収益率をリターンと呼ぶ。
リターンを用いるのは線型性があるために便利である。複数の金融商品があり、時点におけるそれらの価値を、またそれらのリターンを
とする。これらの商品の保有数をとする。こういった複数の商品を1まとめにしたものをポートフォリオという。
上述したポートフォリオの価値は
で与えられる。
ここでポートフォリオのリターンを考えよう。直接的には
と計算できる。これを分解してみる(ただし、、すなわちポートフォリオの組換は無いものとする):
すなわち、ポートフォリオのリターンは個別の商品のリターンの加重平均で表現できることが分かる。ここでこの加重平均の比重、すなわち
は投資比率(そのままウェイトとも)という。
*1:配当落ち日であれば、その時点での理論配当額を用いる。実際に配当が支払われる日にそれを修正する場合もある