- 1.今日のポイント
- 2. マーケット指標
- 3. ニュース(1):【バチカン】経済アドバイザーを務めるドイツ人女性バンカーの実態
- 4. ニュース(2):【ベネズエラ】米傭兵に対して20年の求刑
- 5. ニュース(3):【中印】ラダック州のデプサン平原を巡り会談
- 6. ニュース(4):【日本】ジャパンライフ立件へ
1.今日のポイント
(1)【バチカン】経済アドバイザーを務めるドイツ人女性バンカーの実態
(2)【ベネズエラ】米傭兵に対して20年の求刑
(3)【中印】ラダック州のデプサン平原を巡り会談
(4)【日本】ジャパンライフ立件へ
2. マーケット指標
指数 | 前日終値 | 増減値 | 増減率 | 日付 |
---|---|---|---|---|
日本 | ||||
日経平均 | 22,329.94 |
▲88.21 |
▲0.394% |
07日終値 |
TOPIX | 1,546.74 |
▲3.14 |
▲0.203% |
07日終値 |
JASDAQ | 165.02 |
0.48 |
0.291% |
07日終値 |
東証マザーズ | 1,035.19 |
12.05 |
1.17% |
07日終値 |
日本国債10年物 | 0.008 |
▲0.004 |
▲31.82% |
07日終値 |
米国 | ||||
ダウ平均 | 27,433.48 |
46.5 |
0.17% |
07日終値 |
S&P500 | 3,351.28 |
2.12 |
0.0633% |
07日終値 |
NASDAQ | 11,010.98 |
▲97.09 |
▲0.87% |
07日終値 |
SOX指数 | 2,178.86 |
▲26.08 |
▲1.19% |
07日終値 |
米国債10年物 | 0.566 |
0.004 |
0.66% |
07日終値 |
欧州・アジア | ||||
英FTSE100 | 6,032.18 |
5.28 |
0.0876% |
07日終値 |
独DAX | 12,674.88 |
83.2 |
0.659% |
07日終値 |
上海総合指数 | 3,354.04 |
▲32.42 |
▲0.962% |
07日終値 |
印SENSEX30 | 38,040.57 |
15.12 |
0.0398% |
07日終値 |
外国為替 | ||||
USDJPY | 105.93 |
0.39 |
0.36% |
07日終値 |
EURJPY | 124.84 |
▲0.49 |
▲0.39% |
07日終値 |
EURUSD | 1.1788 |
▲0.0087 |
▲0.73% |
07日終値 |
コモディティ・その他 | ||||
原油先物(WTI) | 41.56 |
▲0.39 |
▲0.93% |
07日終値 |
原油先物(Brent) | 44.66 |
▲0.43 |
▲0.95% |
07日終値 |
金先物(COMEX) | 2,036.15 |
▲22.25 |
▲1.08% |
07日終値 |
銅先物(COMEX) | 2.7905 |
▲0.1200 |
▲4.12% |
07日終値 |
BTCJPY(bitFlyer) | 1,245,122 |
13,122 |
1.07% |
09日 08:42:08 |
3. ニュース(1):【バチカン】経済アドバイザーを務めるドイツ人女性バンカーの実態
- 女性司祭を拒否するローマ・カトリック教会が2014年に新設した経済アドバイザー職に女性を就任させた
- マリア・コーラックはその職に就いている人物の中でもドイツ協同組合・ライファイゼン組合連合会の長であることに注目が集まっている
(1) 知っておきたいこと
ドイツの金融システム、特に銀行システムは、2000年あたりから始まる投資銀行ブームに慣れてきた人々には異様に写るかもしれないが、独特なものとなっている。ドイツ銀行やコメルツ銀行のような巨大銀行と対比的に、わが国の信用組合に似たものとして信用協同組合というものが存在する。今回注目を集めているマリア・コーラックは、銀行に限らない協同組合同士のネットワークから派生して誕生した上部組織であるドイツ協同組合・ライファイゼン組合連合会(Bundesverband der Deutschen Volksbanken und Raiffeisenbanken e.V.)の会長・CEO職を務めているのである。
ドイツ銀行などの巨大かつグローバルな企業に比べれば、地元経済に密着していることもあり、そうした協同組合というのは世の注目を集めにくいのであるが、その実、グローバル金融においては少なからぬ影響力を持っているのかもしれない。これは別組織の話であるが、オーストリアのライファイゼンバンクは2019年に発覚したダンスケ銀行によるロシアへのマネーロンダリング問題に関与していたことが判明している*1。
わが国でも類似した機関として存在する農林中央金庫は、戦後の日本金融界において特殊な役割を担ってきたという話を聞いたことがある。現在も、農林水産業への投融資というよりも金融マーケットでの巨大ファンドとして機能しているのが実態であるわけで、そこからの類推でドイツ協同組合・ライファイゼン組合連合会の役割が気になっていたところに、バチカンとの関係が出てきたのである。
経済アドバイザー職に就いている以上、バチカンの金融ネットワークにドイツ協同組合・ライファイゼン組合連合会が関与していると考えてもそこまで不自然は無いだろう。一般にプロテスタントの国とは言われているものの、ヒトラー擁立を支えたカトリックの保守勢力をはじめとして、ドイツにおけるカトリック勢力が世界史に与えてきた影響は小さくないのかもしれない。「ドイツとカトリック」、この視点をここから学ぶべきだ。
4. ニュース(2):【ベネズエラ】米傭兵に対して20年の求刑
- ベネズエラで3月に発覚したクーデター未遂事件に関わったとされる米国人2名が20年の求刑を受けた
- 同人は50人の市民を伴ってマデュロ政権を転覆させる「ギデオン作戦」を主導していた
(1) 知っておきたいこと
今回求刑を受けた2名は、いわゆるPMC(民間軍事会社)であるシルバーコープ(Silvercorp)所属の傭兵であった。ついこの前にもベラルーシでロシア系PMCであるワグネルの所属員とされるロシア人が拘束されたばかりであった。PMCを用いることで、財政難に喘ぎ人員が削減されてきた正規軍は安価に兵力を確保でき、元軍人が所属していることが多いので人(品)質も担保されるうえに退役軍人の雇用を提供する。また情報機関などからすれば、身元を割ることなく、トカゲのしっぽ切りができる適切な人材の供給を受けることができる、というわけだ。
無論、各国でPMCに対する規制は存在する。前述したワグネルの存在からすれば意外に思われるかもしれないが、ロシア刑法は「傭兵の応募、教育または資金供与、および武力紛争で傭兵に参加した場合は処罰される」と明示しているのであってPMCは非合法な事業なのである*2。したがって登記上、ワグネルはロシア企業ではなく、過去に確認されているのは香港籍・アルゼンチン籍であるという。
さてPMCが戦争をより不透明にしているのは事実であるが、その背景に様々な問題があるのは上述したPMC利用のメリットからも容易に推察される。戦争ないしテロ、大規模犯罪の脅威がある以上、永遠に需要は消えないので、PMCの存在も消えない。契約主の性質から国際的な条約による拘束も厳しい。実際、PMCの在り方を定めたモントルー文書と呼ばれる国際的な文書があるものの、これは条約ではなく指針に過ぎず、法的な拘束力を有していない。軍事に関してあまり議論がなされない日本だからこそ、PMCに対する監視を更に強めた方がよさそうだ。
5. ニュース(3):【中印】ラダック州のデプサン平原を巡り会談
(1) 知っておきたいこと
ラダック州はかつてはジャンムー・カシミール州東部の地方であり、今は連邦政府が直轄している。それだけでも中印の対立を本格視すべき有力な証拠であるのだが、他方で過去に生じた両国間での紛争をつぶさに見ると、一度はキューバ危機の背景で起こったことからも分かるように、あくまでも両国程度で紛争が終結する場合になされてきたのであった。つまり戦闘を行うにしても局地戦とすることが両国としての至上命題と言えそうなのだ。
しばらくの間、中印紛争は過熱化することなく外交面での会談が続いてきた。とはいえそのままであるとは言い難い。中印の動向は慎重に見ておくべきだ。
(2) まとめ
- 中印対立は二国間で問題が解決できるレベルで実施されてきた
- したがって中国への国際的非難が強まっている今の段階でそれが生じるとは言い難い
6. ニュース(4):【日本】ジャパンライフ立件へ
(1) 知っておきたいこと
いよいよ、といったところだろうか。このジャパンライフは代替医療機器製造販売会社であるが、同社の山口元会長は2015年に招待を受けた安倍首相主催の「桜を見る会」に招待されたが、同社はそのときの写真を宣伝チラシに載せてアピールに使っていたとして問題視されてきた。
今回の立件に対応して、2006年に開催された「桜の会」の名簿が国会図書館において公開されたことで、首相の招待を意味するコードが60であると判明し、同元会長の推薦者が安倍首相である蓋然性が増しているのだという*3。こう言うと語弊を生むかもしれないが、同社の詐欺事件自体はおそらく安倍首相側は直接は関係ないのかもしれない(あったとしても献金くらいの話で、政治家には「ありがち」な話である)。そのために普段であれば、のらりくらりとして無視することが出来たとしても不思議はない。
しかし、それが今このタイミングで立件されたことは、安倍政権に終焉が近づいている何よりの証拠であり、今年で本当に同政権は終わりと言えそうだ。個人的に、今の安倍政権を東條英機と同じように考えてきた。安倍首相の退陣があれば、可測的に日本が新たなフェイズに到達することになるだろう。「経済(財界)が…」という批判は相応にあるだろうが、その大本を築いたのは政界と官界の責任が大きい。「その時」に向けて次の構造を模索したい。
(2) まとめ
- 山口元会長を招待したのが安倍首相である確率は高い
- いよいよ安倍政権の終わりとなるかがカギ