- 1.今日のポイント
- 2. マーケット指標
- 3. ニュース(1):【スペイン】米連邦議会にジブラルタルの共同統治をロビー活動していた
- 4. ニュース(2):【キューバ】英国と製薬事業の合弁企業を設立へ
- 5. ニュース(3):【シンガポール】旅行者へ電子タグの携帯を必須化する方向
- 6. ニュース(4):【日本】「つなぎ融資」の意味は?
2. マーケット指標
指数 | 前日終値 | 増減値 | 増減率 | 日付 |
---|---|---|---|---|
日本 | ||||
日経平均 | 22,195.38 |
485.38 |
2.21% |
03日終値 |
TOPIX | 1,522.25 |
26.19 |
1.74% |
03日終値 |
JASDAQ | 161.65 |
2.62 |
1.63% |
03日終値 |
東証マザーズ | 994.98 |
36.75 |
3.76% |
03日終値 |
日本国債10年物 | 0.020 |
▲0.005 |
▲20.00% |
03日終値 |
米国 | ||||
ダウ平均 | 26,664.4 |
236.08 |
0.889% |
03日終値 |
S&P500 | 3,294.61 |
23.49 |
0.716% |
03日終値 |
NASDAQ | 10,902.80 |
157.52 |
1.47% |
03日終値 |
SOX指数 | 2,177.27 |
40.86 |
1.89% |
03日終値 |
米国債10年物 | 0.554 |
0.018 |
3.41% |
03日 06:05:00 |
欧州・アジア | ||||
英FTSE100 | 6,032.85 |
135.05 |
2.26% |
03日終値 |
独DAX | 12,646.98 |
333.62 |
2.67% |
03日終値 |
上海総合指数 | 3,367.97 |
57.96 |
1.74% |
03日終値 |
印SENSEX30 | 36,939.6 |
▲667.29 |
▲1.79% |
03日終値 |
外国為替 | ||||
USDJPY | 106.00 |
0.06 |
0.06% |
04日 06:52:02 |
EURJPY | 124.66 |
0.06 |
0.05% |
04日 06:52:35 |
EURUSD | 1.1761 |
0.0000 |
0.00% |
04日 06:53:22 |
コモディティ・その他 | ||||
原油先物(WTI) | 40.75 |
0.48 |
1.19% |
03日終値 |
原油先物(Brent) | 43.88 |
▲0.01 |
▲0.02% |
03日 06:54:51 |
金先物(COMEX) | 1,982.00 |
0.35 |
0.02% |
03日終値 |
銅先物(COMEX) | 2.9140 |
▲0.0010 |
▲0.03% |
03日終値 |
BTCJPY(bitFlyer) | 1,200,807 |
18,275 |
1.55% |
04日 06:56:55 |
3. ニュース(1):【スペイン】米連邦議会にジブラルタルの共同統治をロビー活動していた
(1) 知っておきたいこと
ジブラルタルはモロッコとスペインの間を流れるジブラルタル海峡に面した、スペインと陸続きであるが英国自治領となっている場所である。同地は西アフリカや西欧から地中海へと入る際の拠点として、(海洋)国家にとっては大変に重要な地点であり続けた。たとえば19世紀のいわゆる「グレート・ゲーム」の時代には黒海からロシア艦隊が大西洋へと出るのを防ぐための拠点だったのである。
(図表1 ジブラルタルの位置)
(出典:毎日新聞*1)
ちょうどアルゼンチンがフォークランド諸島をめぐって英国と係争を繰り返しているように、ジブラルタルもスペインと英国で永年の係争を繰り広げてきた。そのジブラルタルが米国との共同統治領になるとはどのような状況か。
スペインは安全保障において米国に大きく依存している、欧州でも珍しい国家である。イラク戦争も真っ先に参画を表明したのであった。それは、私見だが、一つは英仏独といった欧州の大国への対抗手段という側面があり、もう一つは旧植民地であるモロッコなどの北アフリカ諸国の対策のためにアメリカアフリカ軍(AFRICOM)との連携を図るという側面がある。
とはいえ、中国対策でFive Eyesとして英国と米国が接近している最中に今回のリークはスペインの状況が悪化するだけであろう。スペイン王性が課題を抱え米国も国内ないし東アジア問題に注力する中で、これが実現するようなことはまず無いと考える。欧州情勢はこのように静かに水面下で激しく争っているのである。
4. ニュース(2):【キューバ】英国と製薬事業の合弁企業を設立へ
- キューバのBioCubaFarmaと英国のSG Innovationsが昨日(3日)合弁会社を設立することを公表した
- この合弁会社BioFarma Innovationsは新薬開発と販売を欧州で行う予定である
(1) 知っておきたいこと
キューバは誰もが無料で医療を受けることのできる社会主義国家であり、その技術は世界屈指のレベルである。また制度も非常に先進的で、日本では広く議論がなされているものの、未だに普及の進まない代替医療がいくつもの分野に分かれて、それぞれが保険の適用を受けることができる。その中にはたとえばハーブ医療がある。
この合弁会社はキューバ側の企業がもつ製薬に関する知的財産を欧州で販売することを主目的としているそうだ。そのようなキューバの知見がビジネスとして世界に流通するのに英国企業が関わっているという、まさに大英帝国のやり方だと感嘆せざるを得ないようなものだ。他方で、キューバ政府が進める民主化・資本主義に向けた第一歩という訳だ。キューバは確実にエマージング・マーケットとしての地位を確立しつつある。
(2) まとめ
- キューバは世界でも最先端の医療大国である
- キューバがエマージング・マーケットとして世界からの注目を更に集めていく
5. ニュース(3):【シンガポール】旅行者へ電子タグの携帯を必須化する方向
- シンガポール当局に指定された国からの旅行者は電子タグを携帯することが義務化される方向であるという
- 同様の措置は既に香港や韓国で取られており、シンガポールの場合、対象国にはシンガポール市民や居住者も含まれている
(1) 知っておきたいこと
シンガポールはリー・クワン・ユーらによる開発独裁によって今の地位を築いてきたのは良く知られている事実であるが、その過程で自由は制限されている。Covid-19対策が目的であり妥当とも考えられるが、他方で、シンガポール当局が人の出入りに関するデータを更に収集することとなる点には留意したい。
過去に東京の金融都市化について書いたが、そこで東京の発展に係る条件はシンガポールの凋落にあると述べた。ではシンガポールが凋落するにはどのような状態になることが必要かといえば、まずは隣国などとの戦争状態に入(り敗北す)ること*2、資金移動が容易にできなくなること、情報の移動が制限されること、の3つが差し当たり考えられる。特に2つ目と3つ目はシンガポールが有してきた優位性をすべて失うということだが、もしこれが起こるとすれば、米中対立が深まる中でシンガポールがどちらに付くのかを求められた結果、米国からの経済制裁を受けるという形だろう。これはつまり、そう遠くない将来に、実際に起こり得るものだということだ。今は、シンガポールの“良さ”を盲目的に信じて良い時代ではない。
6. ニュース(4):【日本】「つなぎ融資」の意味は?
- 銀行から資金提供を受けて組成された「融資ファンド」が日本でも広がりつつある
- 銀行から融資を受けるまでの半年から1年の間のつなぎとして年率8%程度で貸し出すという
(1) 知っておきたいこと
融資ファンドというのは、欧米では広く知られているのだという。なぜ日本では広がってこなかったのか。日本では、都市銀行、信託銀行、そして保険会社が業として貸出を行なうメインプレイヤーである。しかし一つの企業にあまりに多額の貸付を行うとその会社の倒産で連鎖的に銀行が潰れる確率が上がるため、法律で与信額に上限を設定することを求められている。また各企業の信用状態を審査し、それに応じて与信額の上限を自主的に定めてもいる。そのため業績が悪化した企業には追加の貸し出しが基本的にできにくくなるという仕組みになっている。
が、当然抜け穴というのがあって、その一つがノンバンクである。日本では伝統的にノンバンクが融資ファンド的な役割を担ってきた。銀行自体、利鞘を取れず貸出制限がある中で、こうした融資ファンドに資金を拠出すれば実質的に上述した上限を超えて融資できるという訳だ。もちろん、それは銀行のリスクを増大させていることを意味するのであって、ジレンマではある。かつてノンバンクはこの世の春を謳歌したものの、あまりにもコンプライアンスや法令の違反が過ぎたことで下火になった。その二の鉄を踏むことにならないよう、投資業界に注意しなければならない。
(2) まとめ
- 日本では融資ファンドの役割をノンバンクが担ってきたが、それは結局モラルハザードを起こして下火になって行った
- 融資ファンドが銀行の倒産リスクを高めている側面があることを忘れてはならない
*1:「ジブラルタル海峡」欧州とアフリカが行き交った地 | 藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」 | 藻谷浩介 | 毎日新聞「経済プレミア」参照。
*2:当然、これはまずないと考えるべきだが。